KDDIとソフトバンクのイー・アクセス買収競争

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KDDIとソフトバンクのイー・アクセス買収競争を見ると、iPhone5のデザリングを行うためにソフトバンクがイー・アクセス買収を成功させる必要があったことが分かります。KDDIがイー・アクセス買収に成功していれば、iPhone5の販売でかなり有利な立場にたてていた可能性が高いですね。

(1)auとソフトバンクがiPhoneで競合

auとソフトバンク投資戦略で、KDDIの加藤社長とソフトバンクの孫社長が、表面上は穏やかに握手を交わしていますが、水面下で投資戦略を描いていたことが分かります。auは携帯電話事業を堅実に行っていますが、ソフトバンクは買収を繰り返しており米国進出に成功しています。

KDDIの加藤社長は、ソフトバンクがスプリント買収に集中している隙をついて、イー・アクセスの買収を行い、auの競争力強化に繋げようとしていたことが分かりますね。KDDIが買収に成功していれば、auの電波品質は大きな競争優位になっていましたので、携帯電話市場で有利になっていた可能性があります。

(2)KDDIとイー・アクセス買収の競合

ソフトバンク イーアクセス買収のライバル(4)を見ると、KDDI、ソフトバンク、楽天がイー・アクセスの買収を狙っていたことが分かります。
  • KDDI 田中孝司(55)
  • ソフトバンク 孫正義(55) 創業者であり大株主で日本2位の富豪
  • 楽天 三木谷浩史(47) 創業者であり大株主で日本3位の富豪
KDDIとイー・アクセス買収で競合した、ソフトバンクの孫社長と楽天の三木谷社長は、日本長者番付 孫正義の資産でまとめましたが、創業者社長であり日本を代表する富豪として有名です。KDDIの社長はサラリーマンとなっており、経営判断のスペードやリスクをとれる範囲が大きく異なったと言えます。

KDDIはソフトバンクにイー・アクセス買収競争で敗れましたが、サラリーマン社長と創業者社長の違いがあったのかもしれないですね。KDDIとソフトバンクを比較すると、KDDIの方が財務面は優れているため買収競争を行えば、負けることはなかったでしょうね。

(3)孫社長、KDDIと楽天の動きを知る

9月18日夜、米スプリント・ネクステルとの買収交渉から帰国した孫に衝撃の一報が入った。「KDDIと楽天がイー・アクセス買収に動いている」
KDDIのイー・アクセス買収の動きに、ソフトバンクの孫社長は、ほとんど気付いていなかったのかもしれないですね。KDDIの田中社長は、イー・アクセス買収はこの時点で順調に進んでいたと言えるのかもしれないですね。

au携帯電話契約者数2013年を見ると、携帯電話契約者数は日本を代表する規模であることが分かります。KDDIは過去最高の利益を更新しており、イー・アクセス買収の財務余力は十分にあったことが分かりますね。


(4)イー・アクセスの千本会長と楽天の三木谷社長が会見

19日午後、イー・アクセス会長の千本倖生(70)と三木谷は都内で記者会見に臨んでいた。高速データ通信を手掛ける共同出資会社の設立。「力を合わせて大きなサービスにしたい」。熱く語る三木谷に対し、千本は言葉少なだった
KDDIに対して、楽天もイー・アクセスと記者会見を行っており、イー・アクセスの千元会長が売却先を入念に精査していることが分かります。イー・アクセスにとっては、株主価値最大化のために、できるだけ短期間で最も高い値段で買収されるのは、1つの選択肢として重要になりますね。

(5)iPhone5のデザリングでKDDIとソフトバンクが競合

KDDIに対して、ソフトバンクが絶対にイー・アクセスを買収する必要があったのがiPhone5のデザリングです。ソフトバンクの孫社長はiPhone5のデザリングを発表していましたが、ソフトバンクの通信帯域に余裕がない賭けに近い発表でした。
  • KDDIはiPhone5のデザリングを行う余裕が通信網にあり
  • ソフトバンクはiPhone5のデザリングを行う余裕が通信網になし
KDDIがイー・アクセス買収に成功した場合、ソフトバンクはiPhone5販売競争で、圧倒的に不利な立場にたたされます。KDDIとソフトバンクの立たされた立場の違いと、田中社長と孫社長の経営判断の違いにより、イー・アクセス買収がソフトバンクに決まります。(続く)
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